妊娠期
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妊娠中に食べるお菓子で注意したいこと

ママは、わたしがおなかに来てから、毎日のおやつにとても気を使っているんだって。「本当は生クリームたっぷりのケーキが食べたいんだけど、カロリーが高いから和菓子にしなくちゃ。でも、こんなに気をつけてるのに、なぜか最近体重が急に増えてきたのよねえ…」って、体重計に乗ってため息をついてる。ママ、がんばって!パパも応援してるよ!

妊娠中は、栄養バランスや望ましい体重増加をキープしているか否かに気をつけなければいけない時期。でも、日々のおやつタイムでうまく息抜きをすることも大切です。妊婦さんは普段、どのようにお菓子を食べたらよいのでしょうか。栄養学の視点から注意したいポイントや、食べても比較的大丈夫なお菓子、おすすめのおやつについて、管理栄養士の上田玲子先生にうかがいました。

妊娠中に食べるお菓子で注意したいこと,ママ、あのね。 妊娠中に食べるお菓子で注意したいこと,ママ、あのね。

妊娠中のお菓子の食べ方、6つのポイント

妊娠中のおやつタイムは、妊婦さんのささやかな楽しみです。ただし、食べすぎるとエネルギーのとり過ぎにつながり、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などのトラブルを引き起こしてしまう可能性もあります。楽しいおやつタイムにするために、次の6つのポイントを参考にしてみてください。

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➀おやつは1日200kcal以内

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)によると、妊婦さんの1日の推定エネルギー必要量は妊娠前に比べて、初期で+50kcal、中期で+250kcal、後期で+450kcal。おやつについては「1日200kcal以下」という指針が食事バランスガイド(厚生労働省)より出されています。

例えば、ロールケーキ1カット、プリン1個、どらやき1個(70ℊ)が大体200kcalくらいです。ただし、この数値はあくまでも目安。毎日上限ぎりぎりの200kcalを食べて毎月菓子類のみで合計6,000kcalとってしまうのは「多すぎる」という専門家の意見もあります。

上限ギリギリの200kcalの菓子類は時々のお楽しみにして、他の日は果物や、おせんべいなどで100kcal台までにおさえるなど、メリハリをつけると安心です。

妊娠中に食べるお菓子

➁小分けにして食べる

1つのパッケージに何個も入っている小さなチョコレート菓子やおせんべいは、「2個食べたら残りは明日」というように、小分けにすると食べすぎを減らすことができます。

例えば菓子パンは1個で500kcalを超えるものが多いため要注意ですが、適度な大きさに切り分けて冷凍しておき、毎日解凍しながら数回に分けて食べるのがよいでしょう。

チョコレート菓子

➂人工甘味料入りのお菓子は控える

人工甘味料入りのお菓子やドリンクは「ゼロカロリー」「低カロリー」といった文字に惹かれてしまいますが、2つ問題があります。

1つ目は、大量に摂った場合、妊婦さんや胎児に全く影響がないかどうかはまだはっきり分かっていないこと。
2つ目は、人工甘味料は摂取してもエネルギーが得られないため、血糖値が上がらないことです。すると脳が「おかしいぞ、もっと食べよう」と信号を出し、他のものでエネルギーを満たそうとして、結果的に食べすぎて太るという報告があることです。

たまにはよいですが、大量に常食するのは止めておきましょう。

人工甘味料入りのお菓子

➃食べる時間の目安は10時から15時まで

「3時のおやつ」の習慣は理にかなっています。15時よりも遅く食べると体に蓄積されやすく、体重も増えてしまいます。夕方や夜に食べるのはできるだけ避けましょう。

3時のおやつ

➄お皿に適量を盛り付ける

袋入りのスナック菓子などは、うっかり食べすぎてしまいがちです。毎回適量をお皿に盛り付けましょう。

妊婦さんから「甘いのを食べると次はしょっぱいものを食べたくなるんです」という相談を受けることがありますが、甘いものと塩辛いものをバランスよく少量お皿に盛り合わせておくと満足感が高くなります。

スナック菓子

➅時々のごほうびは、1週間単位で帳尻を合わせる

脂質と糖分たっぷりのケーキは要注意ですが、たまには食べたくなる時もあるでしょう。我慢していてはストレスがたまり、かえってよくありません。そういう時は「1回食べたら次の3日間はおやつを控える」など、1週間単位でコントロールすることをおすすめします。

妊娠中に食べるお菓子

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200kcalにおさまる洋菓子

ケーキ類は、1切れサイズのシフォンケーキやチーズケーキ、ロールケーキのほか、シュークリーム1個が大体200kcal前後です。とはいえ毎日食べるのはなるべく控え、週に1~2回程度のごほうびとして食べるとよいでしょう。

一方で、モンブランなど栗系のケーキ、ミルフィーユなどパイ系のケーキ、チョコレート系のケーキ、タルト類、ティラミスやムース系は要注意。バターやクリームたっぷりで糖質も脂質もかなり高めです。1個ではなく半分ずつ食べる、または1個食べたらその後3日はおやつを食べないなど、上手にコントロールしましょう。

ロールケーキ

200kcalにおさまる和菓子

和菓子は洋菓子よりもエネルギーが低いと思われがちですが、実は意外と高いものです。注意したいのは、ようかん1個(80ℊ=236kcal)、たい焼き1尾(232kcal)、わらびもち1人前(60ℊ=213kcal)、大福1個(90ℊ=212kca)などです。

和菓子でおすすめなのは、あんみつ1人前(200ℊ=170kcal)、カステラ一切れ(50ℊ=160kcal)、いちご大福1個(80ℊ=146kcal)、お団子1本(=140kcal)などです。パッケージにカロリー表示があるものはチェックして、食べすぎないように気をつけましょう。

いちご大福

塩辛いお菓子は少量ずつ

ついつい手が伸びてしまう塩辛いお菓子は、少量を守りましょう。ポテトチップスは1袋(60グラム)につき337kcalで、塩分は0.7グラム含まれています。1日の塩分量の目安が6.5ℊ未満なので、食事の他に1袋食べたらエネルギーも塩分も摂りすぎになってしまいます。おせんべいに比べて脂質も多いので、数日に分けて食べましょう。

なお、しょうゆせんべいは3枚程度で72kcalですが、塩分量が1.2グラムとかなり多めです。テレビを見ながらうっかり食べすぎてしまった…ということのないように、1回分をお皿に盛り付けて、「今日はこれだけ」と目で分かるようにしましょう。

ポテトチップス

カフェインと上手に付き合って

WHO(世界保健機関)は、妊婦さんの1日のカフェイン摂取量を約180~240mg(コーヒー3~4杯)までにすることを呼びかけています。カフェインの妊婦さんへの影響はまだ確定していませんが、赤ちゃんの低体重につながるともいわれています。

参考までに、コーヒーは1杯80mg、紅茶は1杯30mg、ほうじ茶・ウーロン茶は1杯20mgです。カフェインレスの飲み物を上手に取り入れて、過剰摂取に気をつけましょう。

また、チョコレートにもカフェインが含まれています。ミルクチョコレートが1枚(50ℊ)につき10mg、ダークチョコレートが1枚につき40mg。ホワイトチョコレートは1枚につき2.5mgと比較的低いので安心です。

注意したいのは、最近コンビニなどでもよく売られている高カカオチョコレートのカフェイン(1枚につき46~60mg)です。普通のチョコレートより脂質も多いので、どうしても食べたい時は少量にとどめておきましょう。

妊婦さんのカフェイン摂取

栄養士おすすめ!妊婦さんの体に安心なおやつ

最後に、栄養士として妊婦さんにぜひおすすめしたいおやつを紹介します。

ヨーグルト

ヨーグルトは腸内細菌が増えるので便秘にも効果がありますし、カルシウムやたんぱく質もとれます。低脂肪・低糖タイプがおすすめです。フルーツにかけて食べるのもよいですね。

ヨーグルト

フルーツ

ビタミンやミネラル、葉酸が豊富なので、妊婦さんにぜひ食べていただきたいおやつです。

例えば、キウイフルーツは食物繊維やビタミンB6、カリウムが豊富で、便秘解消のほかつわりの軽減、むくみ予防効果が期待できます。

パッションフルーツも、つわりやむくみへの効果のほか、葉酸を豊富に含むのでおすすめです。フルーツは凍らせると食べごたえが出て、生で食べるよりも満足感が高まります。

キウイフルーツ

寒天かん

食物繊維が豊富で、妊婦さんの便秘解消に効果があります。シロップや蜜はできるだけ減らしましょう。野菜ジュースで作るとヘルシーです。

寒天かん

ナッツ類

葉酸が豊富なアーモンドや、ビタミンB1が豊富でこむらがえりの予防に効果があるカシューナッツがおすすめです。小魚とアーモンド入りの商品もカルシウムが摂れてよいですね。ただしナッツ類は脂質が多いので、少量にとどめておきましょう。

ナッツ類

スムージー

葉野菜と牛乳、バナナで作ると、葉酸や食物繊維たっぷりで便秘解消に役立ちます。食べづわりで胸のあたりがムカムカする人にもおすすめ。多めに作って冷凍しておくと便利です。

スムージー

レモン氷

つわりで苦しい人におすすめです。レモン汁を入れた水を凍らせておき、ゆっくり溶かして食べます。さっぱりしていますし、口さみしさがやわらいでエネルギーのとり過ぎを防げます。

レモン氷

食事は栄養を摂るものですが、お菓子などのおやつタイムは「楽しむためのもの」です。
食べすぎることなく、ちょっとずつ、適量を上手に楽しんでください!

上田玲子

上田 玲子(栄養学博士、管理栄養士)

東洋英和女学院大学など複数の大学の非常勤講師、研修会講師、クリニック等の栄養指導を務める。著書に『366日の離乳食』(主婦の友社)、『新版子どもの食生活』(ななみ書房)『人生で一番大事な最初の1000日の食事』(ダイヤモンド社)など。

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