幼児期

子どもの癖(くせ)の原因とその対処法

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「やめなさい」っていわれるけど無意識に指しゃぶりしちゃうんだ

「あっ、またおチビちゃん、指しゃぶりしてる!」ママはそういうと、わたしの指を口から出して、やめるように注意するの。パパからも「やめようね」って。でも、しばらくするとまた指をくわえちゃう。 「何回も注意しているけど、どうして治らないのかしら……?」自分でもどうしてだかわからないんだけど、無意識に指しゃぶりしちゃうんだ。知らないところに行ったり、知らない人がたくさんいたりすると、指しゃぶりしたくなるよ。

指しゃぶりは、乳幼児期に特徴的な癖の代表的なものです。1歳半で指しゃぶりをしていても、それから次第にやめるようになります。

子どもは気持ちを落ち着かせたいときや、不安や緊張を解きたいとき、眠いときや退屈なときなどに指しゃぶりをすることが多いといわれています。無理にやめさせようとしたり、叱ったりしないで、まずは様子を見て。ほかの遊びやおもちゃ、会話などでうまく気をそらせてあげましょう。

幼児 指しゃぶり

また、ふだん子どもとしっかりコミュニケーションが取れているかどうか、甘えさせてあげられているかどうか、日常生活を振り返ってみてください。 もし3歳を過ぎても頻繁に指しゃぶりをしている場合は、小児科医や小児歯科医などに相談しましょう。

長引くようであれば子どもの心相談医に相談を

子どもにはさまざまな癖がありますが、静観したほうがよいものと、場合によっては小児科医や小児歯科医などに相談したほうがよいものがあります。

中でも、頻繁にまばたきしたり、頭を振ったり、アッと声を上げたりする「チック」や、言葉がどもってしまう「吃音(きつおん)」は、親としては心配になりますが、本人や周囲が気にするとますます悪化することも。大人が「どうして頭を振っているの?」「もう一度いってみて?」などと声をかけるのはNGです。そっと見守り、自然と癖が消えるのを待ちましょう。

ただし、こうした癖を見守るうちに症状がますます悪化したり、頻度が高くなったり、生活に支障をきたすようになってきた場合は、発達障害や精神疾患といった問題が背後にあることがあります。小児科医(子どもの心相談医)を受診し、専門家の判断をあおぎましょう。

症状が長引くようであればかかりつけ医、もしくは子どもの心相談医に相談を。

細部 千晴

細部 千晴(日本小児科学会小児科専門医)

細部小児科クリニック院長・日本小児科医会子どもの心相談医。著書・監修書に『この1冊であんしんはじめての育児事典』(朝日新聞出版)、『「どうする?」がわかる 赤ちゃんと子どもの病気・ケガ ホームケアBOOK』(ナツメ出版)、『マンガでわかる! 妊娠・出産はじめてBOOK』(KADOKAWA出版)など

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