乳歯入門
生後〜2歳半頃

【小児歯科医監修】1歳半健診後は歯科医院で定期健診を。
感染の窓の時期にプロケアを考えよう

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各自治体では1歳半健診の時に歯科健診が行われます。このころは、ママ・パパが忙しくて特にお子さんの口で気になることがなければ、歯科受診の優先順位が下がる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この時期だからこそ、おうちのセルフケアと合わせて歯科医によるプロのケアも積極的に取り入れていくことをお勧めしています。

今回は、早くから定期健診を開始することのメリットについて、小児歯科医・歯学博士の坂部潤先生に質問をしました。

坂部 潤

坂部 潤(小児歯科医、歯学博士)

日本小児歯科学会認定小児歯科専門医。東京・目黒、成城、麻布、代々木上原にある小児歯科専門医院キッズデンタルを開業。継続管理型の小児歯科専門医療を提供している。

  • 【この記事のポイント】
  • 1歳半から2歳半は「感染の窓」に注意、定期健診に通い、歯科医院から子どもに合った口の中のセルフケアを学ぼう
  • 定期的な健診が当たり前になることで、成長しても歯のトラブルが起きにくくなる
  • 歯科医院に、口の成長について相談してみよう
  • 早い時期から歯科医院に通い慣れることで「歯医者さん嫌い」をなくす効果もある
  • 歯科医院で泣いても大丈夫、次第に慣れるので通い続けて
【小児歯科医監修】1歳半健診後は歯科医院で定期健診を。感染の窓の時期にプロケアを考えよう|ママ、あのね。 【小児歯科医監修】1歳半健診後は歯科医院で定期健診を。感染の窓の時期にプロケアを考えよう|ママ、あのね。

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1歳半から2歳半の「感染の窓」の時期は、むし歯に注意!

ママ

先日、1歳6カ月児健康診査(1歳半健診)で、子どもの歯を診てもらいました。次の歯の健診は、3歳児健診の時でも大丈夫ですか?

坂部 潤

坂部先生
1歳半健診の歯科健診では、口の中をチェックして、生えてきている歯の数やむし歯の有無などをチェックします。ただ、必要最低限のチェックになりますし、次の3才児健診までの期間はむし歯のリスクが高まる「感染の窓」の時期と重なっています。
定期的に歯科健診を受けることで、口の中を健康に保つための正しい知識や生活習慣を知ることができ、むし歯予防にも役立ちます。ぜひ1歳半健診をきっかけに歯科医院に通い、お子さんの口の状態を詳しく診てもらってください

感染の窓とは

1歳半から2歳半くらいまでは、口の外から入ってきたむし歯の原因菌(ミュータンス菌)が定着する時期。むし歯になるリスクが高まるので、このころを「感染の窓」といいます
生まれたばかりの赤ちゃんには、むし歯の原因になるミュータンス菌は存在しませんが、周りの大人の唾液を介して感染する場合があります。ミュータンス菌が口の中に入ることを完全に防ぐことはほぼ不可能ですが、正しい歯みがきや生活習慣を心がけてむし歯を防ぐことができます。

正しい歯みがき

幼児期から歯科医院の定期健診に通う4つのメリット

ママ

1〜2歳の幼児のころから歯科医院の定期健診に通うと、どんなことを診てくれますか? 定期健診に通うメリットは何でしょうか。

坂部 潤

坂部先生
幼児の定期健診では、保護者にお子さんの生活習慣について詳しく聞き、アドバイスや相談にのったりします。歯は何回みがいているか、間食はどのくらいしているか、歯みがきの仕方はどうしているか、といったことです。また、卒乳したかどうかも必ず聞き、口腔内の様子とともに卒乳のアドバイスなども行います。

また、お子さんの歯の汚れや形、歯質、むし歯の有無、口の粘膜や舌などの様子を確認します。歯科医院によっては、お子さんの状態にあわせてかみ合わせや、くせのチェック、むし歯のリスクの検査をする場合もあります。

坂部 潤

坂部先生
幼児のころから歯科医院で定期健診に通うメリットは主に4つあります。

1つ目は、むし歯の予防と早期発見ができること
幼児期のむし歯は、痛みや自覚症状がほとんどありません。気がついた時にはむし歯がかなり進行していることもあります。

むし歯や歯周病など、歯の病気のほとんどは日々の生活習慣が大きく関わってくるので、歯が生え始めてからは歯科医に専門的な情報を聞いて正しい習慣を身につけることがとても大切です。

2つ目のメリットは、正しい仕上げみがきの方法を教えてもらえること
幼児期のお子さんの歯の汚れをしっかりと落とせる歯ブラシの使い方、みがき方などを教えてもらえます。特にイヤイヤ期のころは、仕上げみがきに苦労する時期です。定期健診では、こうした時期のママ、パパたちの仕上げみがきの困りごとにも相談に乗ってくれますよ。

3つ目のメリットは、指しゃぶりや歯ぎしりなど、日頃見かけるお子さんの心配なくせや、歯並びについてなど気軽に相談できることです
3歳以下のお子さんは、くせや歯並びですぐに対応が必要になるケースはほとんどありませんが、日々の生活の中で気をつけたいことを教えてもらえるので安心です。

4つ目は、定期的に歯科医院に通うことで、お子さんが「歯医者さんに行ったら痛いことをされる」というネガティブなイメージを持たずに済むことです
これが最大のメリットですが、お子さんがリラックスできるように、いろいろな工夫をしている歯科医院も多いので、ぜひ安心して任せられるかかりつけの歯科医院を見つけてください。お子さんが嫌がらずに歯科医院に通ってくれるようになると、ママやパパはもちろん私達、歯科医院にとっても、嬉しいことです。

ママ

子どもの歯の本数がまだ少ない時期から、定期健診は必要なんですね!

坂部 潤

坂部先生
はい。歯科医院というと、むし歯を治療するイメージが強いのですが、歯並びや、歯のかみ合わせなど口の中を総合的に診てもらえる場所でもあります。インターネットや雑誌からもいろいろな情報を得られますが、やはり歯科医院ではお子さん1人1人の口の状況に合ったアドバイスを受けられるので、ぜひ定期的に受診していただきたいですね。

体の成長とともに口も成長するので、今後いろいろな悩みが出てくるかもしれませんが、早期に対処をしてもらうことでお子さんはもちろん、ママやパパの負担を大きく減らせます。

幼児期から歯科医院の定期健診

小児歯科の診察時間や定期健診の費用

ママ

定期健診の診察時間はどのくらいかかりますか?

坂部 潤

坂部先生
口の中を診るのは3~5分程度です。ママやパパへの生活習慣の聞き取りや、ブラッシングの指導、場合によっては検査もありますので、内容によって変わりますが全体では15~30分くらいが目安になります。

ママ

1回の定期健診の費用は、いくらですか?

坂部 潤

坂部先生
費用は地域や医院によって異なりますので、あらかじめ電話で確認するといいでしょう。例えば東京の23区内などお口の状態によっては地域の医療費助成制度を利用することで、自己負担なしで受けられるところもあります。

ママ

どのくらいの頻度で診てもらうのがいいんでしょうか?

坂部 潤

坂部先生
目安としては3~4カ月に1回(必要に応じて1~2カ月)のペースです。お子さんの口の中の状態によって異なるので、歯科医師と相談して決めてください。

歯科医師と相談

歯科医院で子どもが泣いてしまった時は?

ママ

子どもが診察の時に大泣きしてしまわないか心配です…。

坂部 潤

坂部先生
2歳以下のお子さんは、歯科医院でほぼ100%大泣きするもの。泣くことを心配しなくても大丈夫です。 スタッフも慣れていますし、診察室を個室にするなどママやパパが気を使わなくて済むように配慮をしている歯科医院もあります。むしろスタッフの対応の様子を見て、かかりつけにするかどうかを判断するくらいの気持ちでもいいでしょう。
2歳を過ぎると、スタッフやママ、パパが声かけをしたり、おもちゃなどで工夫したりすることでだんだん泣かないようになりますよ。

ママ

よかった、子どもが泣いても大丈夫なんですね。

坂部 潤

坂部先生
もちろんです。
歯科医院によっては、子どもがリラックスして通えるような環境整備をしている医院もありますが、大泣きしていたお子さんも定期健診に通ううちに次第に慣れていき、長く歯科医院とお付き合いできる関係性を築くことができます。泣いたり嫌がったりしていても、今だけの一時的なものですので、遠慮せずに通い続けてほしいと思います。

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