乳歯入門
生後〜2歳半頃

赤ちゃんの歯みがきデビュー! ママに知ってほしい「はじめての歯みがき」のコツ

わたしにもやっと歯が生えてきたよ。そしたらママ、「これからはちゃんと歯みがきしなくちゃね」って、わたしをいきなりゴロンと横にして、お口に歯ブラシを入れようとしてきたの。わたし、びっくりしてわんわん泣いちゃった。「むし歯になっちゃうから、がまんして!」って言われたけど、いやなものはいや!

毎年11月8日は「いい歯の日」。赤ちゃんがずっといい歯で過ごせるように、これから3回にわたって乳幼児の歯と口の健康にまつわる連載をスタートします。
第1弾は、赤ちゃんに「はじめて歯みがき」をするときのポイントを紹介。小児歯科医・歯学博士の坂部潤先生が解説します!

「いい歯の日」とは?

日本歯科医師会が1993年、「い(1)い(1)歯(8)」の語呂合わせで定めた記念日。例年、全国各地で啓発イベントやテレビCMの放映など、さまざまな歯科保健啓発活動が行われています。

赤ちゃんの「はじめての歯みがき」

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「はじめての歯みがき」は「歯が生えたら」

赤ちゃんに歯みがきを始める時期は、下の前歯が生えてくる生後6ヵ月くらいが目安です。その前から、少しずつ歯みがきに慣れてもらうように準備をしておくといいでしょう。

赤ちゃんにとって、歯みがきは上からのぞきこむ姿勢や、普段触られることに慣れていない口の周りを触れられたり、歯ブラシが口の中に入り込む慣れない体験です。いきなり歯みがきをすると、びっくりして口を開けてくれない場面もありますから、歯みがきの姿勢や口の周りを触れること、口に歯ブラシが入ってくる感触にも少しずつ慣れてもらいましょう。

「はじめての歯みがき」は慣れることが目標

まだ歯が1~2本くらいしか生えていない時期は、だ液が歯の汚れを自然と洗い流してくれるので、むし歯になりにくい口内環境です。ですから「毎回しっかりと歯をみがかなきゃ!」と神経質になりすぎなくても大丈夫。まずは赤ちゃんが歯みがきに慣れてもらうことを目標にしましょう。

ただし1歳を過ぎると、前歯や奥歯が生えそろってきて、「歯と歯の間」や「奥歯のみぞ」に汚れが残りやすくなります。しっかりみがいてあげましょう。

同じ生活のリズムで歯みがきをすることで赤ちゃんも安心

赤ちゃんが歯みがきに慣れるためには、なるべく同じ時間帯に、同じ姿勢で行うことも大切です。

たとえば「夜ご飯を食べた後に、洗面所の前で、タオルを敷いて赤ちゃんをゴロンと寝かせてみがく」など、毎日の歯みがきをする流れを決めて生活リズムを作ってみてください。

赤ちゃんが歯みがきに慣れるための3ステップ

① 歯みがきの姿勢に慣れる

ママが歯ブラシを持つ前に、まずは赤ちゃんが歯みがきの姿勢に慣れることを目標にしていきましょう。イラストのように、赤ちゃんをゴロンと寝かして、ママが上からのぞきこむようにします。
この姿勢は口の中がよく見えるので、歯の汚れを取りやすく頭もふらつかないので安全です。ママと手遊びなどをしながら、楽しく慣れさせていきましょう。
ちなみに、向かい合わせの姿勢は赤ちゃんの頭がフラフラと動いて危なかったり、口の中が見えにくく、みがき残しがでやすいので歯みがきにはおすすめできません。

② 口の周りに触れられることに慣れる

赤ちゃんと手遊びをしながら、口の周りをチョンチョンと触り、少しずつ触られることに慣れさせていきます。

③ 歯ブラシに慣れる

次はいよいよ、歯ブラシを口に入れる練習です。最初は歯にチョンチョンと歯ブラシを当てたりして、少しずつ歯ブラシの感触に慣れさせてあげましょう。

動画「はじめての歯みがき」

この動画では、今までに紹介した「赤ちゃんが歯みがきに慣れるための3ステップ」を楽しい音楽に合わせて分かりやすく解説しています。親子で遊びながら、少しずつ歯みがきの生活リズムをつくっていきましょう。

赤ちゃんの歯みがきで使う用具

赤ちゃんの歯をみがく時には、仕上げみがき用の歯ブラシがおすすめです。
歯ブラシのヘッドが小さく、毛はソフト毛でハンドルは大人の手の大きさに合わせて設計されているので、みがきやすいです。

むし歯になりやすいところを優先的に

乳歯でむし歯になりやすい場所は、①「上の前歯(特に真ん中の歯)」、②「歯と歯の間」、③「奥歯のみぞ」です。この3ヵ所を優先的にみがきましょう。みがき残しがないように、順番を決めてみがくと良いです。
たとえば、前歯が数本だけの状態なら、① 外側、② 内側の順番でみがきます。奥歯が生えてきたお子さんなら、① 歯の外側、② かむ面、③ 内側の順番で上下の歯をみがいていきます。

赤ちゃんの歯みがきのコツは?

軽い力で手早くみがく

きき手に歯ブラシを持って、反対の手で赤ちゃんの唇に指をそえてみがきます。歯1~2本につき、歯ブラシを横に小刻みにシャカシャカと小さく動かしてみがきます。表側はもちろん、裏側もしっかりみがいてあげましょう。

力を入れてゴシゴシみがいてしまうと嫌がる原因になるので、軽い力でみがきましょう。ただ、歯みがきの力が弱すぎて汚れがしっかり落ちていないお子さんもいます。ちゃんと毛先が歯と歯の間に入るくらいの軽い力で、歯の付け根もしっかりとみがくようにしてください。また、みがく時間がかかりすぎてしまうと、赤ちゃんが嫌がってしまう場合があるので手早くみがきましょう。

上唇小帯(じょうしんしょうたい)に歯ブラシを当てない

上の歯をみがく時は、「上唇小帯」(上唇の裏側と歯ぐきの間にあるスジ)に歯ブラシを当てないように、気をつけてみがきます。ここに歯ブラシが当たってしまうと、痛くて歯みがきが嫌いになってしまう子もいます。上唇に指を添えて少し持ち上げ、上唇小帯を保護しながらみがきましょう。

歯みがきを楽しくするコツ

ママやパパが、赤ちゃんの目の前でシャカシャカと歯みがきを見せてあげると、まねをしたくなったり、興味を持ってくれやすくなります。

他にも、歯みがきが終わった後にたくさん褒めてあげる、終わるたびにカレンダーにシールを貼っていく、好きなキャラクターのぬいぐるみを使って「がんばれ!」と応援してあげる、「あと10秒だけあーんしようね!」と伝えてカウントダウンするといった方法もあります。

また、スプーンが持てるようになったら、お子さん自身の今後の歯みがきの習慣づくりのためにも子ども用の歯ブラシを持たせてあげましょう。詳しくは次回の記事でご紹介します。

「はじめての歯みがき」は慣れることが大切。赤ちゃんの歯のみがき方に迷ったら、ぜひ小児歯科に来てください。歯みがきのやり方、歯ブラシの選び方、力加減などのコツをお伝えします!

坂部 潤

坂部 潤(小児歯科医、歯学博士)

日本小児歯科学会認定小児歯科専門医。東京・目黒、成城、麻布にある小児歯科専門医院キッズデンタルを開業。継続管理型の小児歯科専門医療を提供している。

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