歯と口の基礎知識

歯と歯周組織の構造

歯と歯周組織の構造

歯の構造はどうなっている?

歯はエナメル質、象牙質、セメント質の硬い組織(硬組織)からできています。歯が口の中に露出している部分を歯冠、歯冠より下の部分を歯根といいます。

エナメル質

歯冠部の表面を被っている人間の身体組織の中で最も硬い組織です。ものの硬さを1~10段階に分けたモース硬度という指標でみると、水晶(モース硬度7)と同じくらいの硬さがあります。でも、酸に簡単に溶けてしまうという弱点があります。

象牙質

エナメル質、セメント質の内側にあり、歯冠部から歯根部までの歯を形づくる組織です。モース硬度は5~6でエナメル質よりも柔らかく、酸に溶けやすい組織です。象牙質には象牙細管という細い管が通っていて、管の中は組織液で満たされています。

セメント質

歯根部表面を被っている組織で、歯根膜によって歯槽骨と結合しています。モース硬度は4~5で人間の骨と同程度の硬さです。

歯髄

一般に神経と呼ばれる組織で、神経線維のほかに血管やリンパ管などが通っています。
象牙質に栄養を補給しています。

歯周組織の構造はどうなっている?

歯周組織は歯の周りの組織で、歯を支える役割があります。

歯根膜

歯根部分の表面(セメント質)と歯槽骨の間を結び付ける繊維性の結合組織を主体とした組織です。食べ物をかむ際、歯にかかる力を吸収・緩和し、歯に加わる力が直接歯槽骨に伝わるのを和らげるクッションの働きをしています。

歯槽骨

歯を支えている顎の骨で、歯はこの骨の中に植立しています。
歯周病などで歯槽骨が大きく破壊されると、歯がグラグラになります。

歯肉

歯槽骨を被っている軟らかい組織で、一般には歯ぐきと呼ばれている部分です。
歯周病など様々な病気の症状が表れる組織でもあります。

歯肉溝

歯肉と歯の境目にある小さな隙間。健康な人でも1~2mmの深さがあります。
炎症などによって深くなった状態を、歯肉ポケット、歯周ポケットと呼びます。

監修:神奈川歯科大学 特任教授 荒川浩久

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