歯と口のケア方法

入れ歯(義歯)のケア方法

入れ歯の種類

入れ歯の種類

取り外しできる入れ歯には、総入れ歯(総義歯)と部分入れ歯(局部義歯)があります。プラスチックでできたものや金属で補強してあるものなど、様々なタイプがあります。

入れ歯の必要性

歯が抜けたままになっていると、かむ力が低下するばかりでなく、残りの歯に負担がかかりすぎて、歯が傾いたり、伸び出したりして、かみ合わせが悪くなってきます。歯は抜けたままにしないようにしましょう。

入れ歯の必要性
歯が傾いたり、伸び出したりする

入れ歯の清掃の必要性

入れ歯にも歯と同じように食べかすやプラーク(歯垢)がつきます。毎日のお手入れで清潔にしておくことが大切です。

入れ歯のお手入れが不十分の場合に起こるトラブル

  • 口臭が発生しやすくなります。
  • 口内炎の原因になります。
  • 入れ歯に色素や歯石が沈着しやすくなります。
  • 部分入れ歯の場合、クラスプなどがかかっている歯がむし歯や歯周病になりやすくなります。

これらのトラブルを防ぐためにも、入れ歯と口のお手入れを行うことが大切です。

入れ歯のお手入れ方法

毎食後のお手入れ

1.洗面器などに水を張る

落として破損したり排水口に流したりしないようにします

2.入れ歯を外して流水下で清掃します

  • 義歯用ブラシを使用しましょう。
  • 小さな入れ歯でも必ず外してから手の平にのせて洗面器の上でみがきましょう。
  • ゴシゴシと力を入れすぎないようにしましょう。
  • 特に歯肉などに接する内面をみがきすぎると、すき間ができてしまいます。
  • 汚れが残りやすい部分(クラスプなど)は丁寧にみがきましょう。
入れ歯を外して流水下で清掃します
汚れが残りやすい部分

就寝前のお手入れ

毎食後のお手入れに加えて、就寝前は義歯洗浄剤を使用してお手入れしましょう

ブラシを用いて流水下で清掃します

1.ブラシを用いて流水下で清掃します

ぬるま湯に義歯洗浄剤を入れて、入れ歯を浸漬します

2.ぬるま湯に義歯洗浄剤を入れて、入れ歯を浸漬します

洗浄剤を使用するとブラシだけでは落としきれない汚れやカンジダ菌などの真菌や細菌を除去できます。1日1回は入れ歯洗浄剤を使用して清掃しましょう。

  • 浸漬時間は使用方法に従ってください。
  • 義歯の変形の原因になるため熱湯は厳禁です。
義歯用ブラシで浮き上がった汚れと義歯洗浄剤を洗い流します

3.義歯用ブラシで浮き上がった汚れと義歯洗浄剤を洗い流します

  • 就寝時に入れ歯を装着するかどうかについては歯科医師の指示に従って下さい

入れ歯のまわりのお手入れ方法

金属の部分(クラスプ)をかける歯や入れ歯と接している歯の面は汚れがたまりやすく、むし歯や歯周病になる恐れがありますので、ていねいにみがきましょう。

維持装置をかける歯→入れ歯と接している歯

クラスプがかかっている歯のみがき方の工夫

クラスプがかかっている歯のみがき方の工夫

歯ブラシを横から入れて小さく動かしてみがきましょう。
入れ歯の内面と接する歯肉などの粘膜も清掃するようにしましょう。

入れ歯に関する注意事項

お口の状態は年齢とともに変化します。入れ歯の具合が悪い場合、自分で調節せず、歯科医院に相談しましょう。また、以下のようなことが気になる場合は、早めに歯科医院を受診するようにしましょう。

  • 入れ歯があたって歯肉が痛い。
  • 入れ歯が外れにくい。あるいは外れやすい。
  • 入れ歯が安定しない。
  • 入れ歯がこわれた。

入れ歯で快適に過ごすために、毎日のお手入れで入れ歯はもちろん残っている歯や粘膜を清潔に保ち、かかりつけの歯科医院で定期健診を受けましょう。

監修:神奈川歯科大学 特任教授 荒川浩久

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