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【口腔機能低下症②】舌のチェックで口腔機能低下を見つける!

公開日2026年03月16日

患者さんの舌の汚れが気になるのですが、これも口腔機能低下のサインですか?

サインの可能性があります。口腔機能低下を疑いましょう

目で見て判断できる方法があり、メインテナンスの時に容易に評価することができ、数値で評価をすると口腔機能低下に気がつきやすいです。舌苔の付着の程度や舌背上の細菌数は口腔衛生状態の把握につながります。良好な口腔衛生状態を維持することは、誤嚥性肺炎の予防や他の口腔機能の維持にもつながる大切な第一歩です。定期的に評価しましょう。

概要

口腔機能低下症は、口腔の様々な機能が複合的に低下している状態です。口腔機能精密検査で7項目(①口腔衛生状態不良、②口腔乾燥、③咬合力低下、④舌口唇運動機能低下、⑤低舌圧、⑥咀嚼機能低下、⑦嚥下機能低下)のうち3項目以上が該当すると診断されます。
口腔衛生状態不良は、舌苔の付着状態や口腔細菌定量検査を行い評価することで、誤嚥性肺炎のリスクや口腔内環境の悪化を客観的に把握することができます。

なぜ口腔衛生状態の検査が必要なのか

口腔衛生状態不良は、ブラッシングが不十分のほかに 舌などの機能低下が要因となることもあるため、口腔機能低下の早期発見につながり、さらに、口腔内に細菌が増加し、深刻な影響を及ぼすことがあります。 口腔衛生状態を見ることは、口腔機能低下の早期発見と全身の健康維持のために重要です。

検査方法はどんなものがある?

口腔衛生状態不良の検査方法は「TCI(Tongue Coating Index)を用いて舌苔の付着程度の測定」や「口腔細菌定量検査」の2種類あり、どちらかを選択して実施します。目で見て判断できる方法もあるため、取り組みやすい項目です。


検査結果が該当基準以下の患者さんには舌苔や口腔衛生不良の原因を探ることが大切です。口腔内を観察し、舌の乾燥や炎症等がないかチェックしましょう。さらに、ブラシを用いた舌清掃方法を指導し、セルフケアやメインテナンスの重要性を伝えましょう。

*口腔細菌定量検査は口腔バイオフィルム感染症の診断にも用いられるため、口腔バイオフィルム感染症と診断された場合は口腔機能低下症とあわせて管理することがあります。

歯科衛生士が実践すること

・検査の実施:口腔細菌定量検査やTCI評価を行い、結果を記録する
・原因の把握:服用薬剤、全身疾患、生活習慣などの背景要因を確認する
・患者教育:検査結果を説明し、口腔衛生管理の重要性を伝える
・舌清掃の指導:ブラシの使用方法、清掃のタイミング、力加減などを具体的に指導する
・口腔衛生用具の選択:ブラシなどを提案する
・経時的評価:定期的に検査を実施し、管理の効果を確認する

患者さんへの声かけ例

・舌の汚れは、誤嚥性肺炎の原因になることがあるんですよ。
・毎日の舌清掃で、口の中の細菌を減らすことができます。

まとめ

口腔機能精密検査で7項目のうち3項目以上が該当すると口腔機能低下症と診断されます。口腔衛生状態不良の評価は、口腔機能低下症の検査項目です。TCIを用いて舌苔の付着程度や舌背上の口腔細菌定量検査を行うことで、誤嚥性肺炎のリスクや口腔内の衛生状態を客観的に把握できます。検査結果が該当基準以下の患者さんには口腔衛生指導、口腔衛生用具の選択など口腔衛生状態の改善と維持を支援し、全身の健康につなげることが私たち歯科衛生士の重要な役割です。

監修:糸田 昌隆

大阪歯科大学 医療保健学部 口腔保健学科 教授
大阪歯科大学附属病院 口腔リハビリテーション科 科長 教授

※監修者情報は公開時のものです。