口腔機能発達不全症って、どんな状態?
18歳未満の子どもで、食べる・飲み込む・話すなどの口腔機能が、年齢に応じて十分に発達していない状態です
概要
「口腔機能発達不全症」と聞くと、難しそうで自分にできるか不安に感じることもあるかもしれません。しかし、実際には日常の中で気づけることがたくさんあります。
ここでは専門的にとらえすぎず、歯科衛生士が日常の診療中に「あれ?」「少し気になる」と感じる場面をヒントに、最初の一歩として見ておきたいポイントを紹介します。
口腔機能発達不全症とは
「食べる機能」「飲み込む機能」「話す機能」が十分に発達していないか、またはうまく身についていない状態で、専門的な関わりが必要とされるものです。
例えば、
・うまく噛めない、飲み込みにくい
・発音がはっきりしない
・口呼吸がみられる
といった様子が見られることがあり、本人に自覚がない場合も多いとされています。
少し難しく感じるかもしれませんが、「口の使い方を見ていて様子が少し気になる状態」ととらえてみましょう。「できていない」と決めつけるのではなく、「何かサポートできるかも」と見ていくイメージです。
診療の中で気づけるサイン
特別な検査をしなくても、いつもの診療の中で「気になる様子」としてサインを出していることがあります。場面ごとに、ぜひこんなポイントを意識してみてください。
1. 待合室での様子
・口元:絵本を読むなど、ぼーっと座っているときに、何もしていないのに口が開いたままになっている
・姿勢:猫背など姿勢が悪い
・口の癖:吸指癖がみられる
待合室は「力を抜いたときの口の状態」、「普段の姿勢」など観察しやすい場面です。

2. 診療中の様子
・デンタルミラーや器具を入れようとするとき、舌が前に出ている
・会話のとき、「サ行」「タ行」「ラ行」などの発音が少し聞き取りにくい
・唾液などを飲み込むとき、口や顎、首まわりにぎこちなさや余分な力みがある
診療中は、舌の動き方や発音、嚥下など、口腔機能を観察するチャンスです。
3. 保護者との会話
・「家でもお口ぽかんが気になっていて…」と相談される
・「少し舌足らずな話し方で…」と気にされている
・「あまり噛まずに、すぐ丸飲みしている気がして…」と相談される
日常生活での様子は、診療室だけでは見えない部分です。保護者の何気ないひと言が、口腔機能発達不全症に気づくきっかけになることも少なくありません。
まとめ
口腔機能発達不全症は、特別な病気を見つけるものではなく、日常の中で見られる「少し気になる様子」に気づくことから始まります。待合室や診療中、保護者との会話の中にはヒントがたくさんあります。「少し気になるかも」と感じられたら、それが第一歩です。その気づきが、次の関わりにつながっていきます。
口腔機能発達の流れを確認したい場合は
口腔機能発達①哺乳期
口腔機能発達②離乳期
口腔機能発達③幼児期
診療室での見方を知りたい場合は
診療室で見られるポイントはここ
原因や背景について知りたい場合は
口腔機能発達不全症の原因・背景は?
年齢差について知りたい場合は
口腔機能の発達は年齢どおりじゃなくても大丈夫?
もあわせて参考になります。
監修:朝田 芳信
鶴見大学 歯学部歯学科 小児歯科学 教授
※監修者情報は公開時のものです。
