健康づくりはお口から

歯みがき習慣が根付いた今、口腔保健は新たな目標に向かって動きはじめています。口の中の健康維持が全身の健康維持につながることが分かってきたからです。口腔保健の今とこれからを考えます。

⑨ここがポイント 口のトラブルを予防する歯のみがき方

自分の口の状態に合ったみがき方を

子どもの頃、どんな歯のみがき方をしたか覚えていますか。年配の方の中には、歯ラシを上下に回転させるみがき方が正しいと思っている方もいるのではないでしょうか。
30年ほど前まで、この歯ブラシを上下に回転させる「ローリング法」が一般的でした。でも、現在では、歯ブラシを小刻みに動かす「スクラッビング法」が主流になっています。歯ブラシ操作が簡単で、歯垢を取り除く効果が高いためです。歯周病が気になる場合は、歯垢をかき出す効果がある「バス法」を組み合わせます。
とはいえ、適切なみがき方は、口の状態によって変わります。歯科医院で歯みがき指導を受け、自分にあった歯のみがき方を習得することをおすすめします。

みがいた後は少量の水ですすぐ

歯をみがいた後、コップにたっぷりの水で何度もすすいでいませんか。実はこれ、間違いなのです。
フッ素が入った薬用の歯みがき剤は、使用後に口をすすいだ後も口の中にとどまって効果を発揮します。ですから、洗い流してしまったらもったいない! 正しくは、少量の水を口に含んで約5秒間、1回だけすすぎます。こうすれば、口の中の粘膜表面や歯面、歯垢に成分が残って効果が持続します。
大人の場合、すすぎ水は大さじ1程度(約15㎖)。3歳~5歳は5~10㎖、6歳~14歳では10~15㎖が目安です。

食べたらみがく習慣を

「食べたらみがく」を習慣にできれば、それに越したことはありません。それが難しければ、少なくとも1日1回は歯間清掃用具も使ってじっくりみがく習慣をつけて、みがき残しの歯垢を減らしましょう。
歯みがきには、「さわやかな気分にする」「気持ちを切り替える」などの効果もあります。時間がない時は、大きい歯ブラシでさっとみがいたり、薬効成分入りのデンタルリンスで口をすすぐのもよいでしょう。

⑩効果を考えて自分に合った歯みがき剤を選ぼう

歯みがき剤の効果
歯みがき剤の効果

実験でわかった歯みがき剤の効果

歯みがき剤を使ってみがくと、口の中がスッキリして気持ちがいいけれど、本当に効果があるの? そんな疑問を感じたことはありませんか。
日本歯磨工業会は、学生や社会人を対象に、次のような実験を行いました。歯みがき剤を使って1週間みがいた場合と、歯みがき剤を使わずにブラッシングだけした場合を比較したのです。すると、次のような明らかな違いが出ました。歯みがき剤を使ったほうが、歯垢の付着量が少ない。唾液中の細菌量が減る。口臭の原因物質の一つであるメチルメルカプタンが増えにくい。
この実験結果は、歯みがき剤に効果があることを示唆しています。その効果を生かすために、自分に合った歯みがき剤を選びたいものです。

使用量にも気をつけて

さて、ドラッグストアの棚にはさまざまな歯みがき剤がずらりと並んでいます。どれを選んだらいいのか、迷ってしまうこともありますよね そんなときはまず、製品パッケージの表示をチェックして、自分が抱えてい口の中のトラブルを予防・軽減する薬用成分が入ったものを選びましょう。
現在市販されている歯みがき剤の90%以上は、薬事法上、効果をうたえる「薬用歯みがき(医薬部外品)」。自分の口の状態に適した「マイ歯みがき剤」が必ず見つかるはずです。
歯みがき剤の効果を高めるには、薬用成分だけでなく、使用量を守ることも大切です。案外知られていませんが、フッ素配合の歯みがき剤には、フッ素の濃度によって、年齢別に適正使用量があります。少なすぎると口の中にフッ素など有効な成分を保持することができません。年齢に応じた適正量を覚えておきましょう。