日本歯周病学会誌に「認知機能と口腔の健康」に関する最新の知見をまとめた論文を発表しました

2026年03月28日

近年、認知症の予防・遅延につながる生活習慣が注目されていますが、その一つとして「口腔の健康」の重要性が科学的に明らかになってきました。このミニレビューでは、認知症との関連について「①歯周病」と「②口腔機能」の2つの側面から解説しています。

①歯周病では、歯周病菌が脳に侵入したり、全身の炎症を引き起こしたりすることで、認知症の発症に関わるメカニズムが解明されつつあります。

②口腔機能では、従来の「噛む力」だけでなく、「パタカ」と素早く発音する検査でわかる「滑舌(かつぜつ)」の重要性を指摘。特に私たちの研究では、舌の奥の動きを示す「カ」の発音が衰えることが、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の早期サインとなりうることを見出しました。

これらの知見は、歯科医院での定期的なチェックが、お口のトラブルだけでなく、認知機能低下の兆候を早期に捉える「窓」になる可能性を示しています。お口の健康を守ることが、全身の健康、ひいては豊かな人生(QOL)を守ることに繋がるのです。

ミニレビュー 認知機能と口腔の健康:歯周病と口腔機能の関連性に係る最新の知見と今後の展望
石原 裕一, 松下 健二 日本歯周病学会会誌 2026 年 68 巻 1 号 p. 16-24 

DOI https://doi.org/10.2329/perio.68.16