企業向け歯科保健活動
財団活動を通して得られた知見・ノウハウを基に働く人の口の健康を支援しています。
企業での歯科保健活動の大切さ
働き盛りの20~60代の年代は、口腔の健康に対する意識が低く、口に関するトラブルが増えていく時期でもあります。この時期に口腔ケアに関心を高く持ち、予防歯科を実践することは、歯を失うリスクの低減につながると考えられます。
約40年間と長い期間を過ごす「企業」では、継続的に予防対策を実施・管理を行う最大の機会といえます。企業での歯科保健活動を推進することで、就業者の口腔の大切さ・健康意識の向上を図り、好ましい健康行動への変化へと導き、口腔の健康の保持・増進、生活の質の向上につながります。さらに、歯科医療費の抑制へ貢献し、健康経営を支援します。
国民医療費における歯科医療費の現状
近年、国民医療費は年々増加しており、歯科医療費は全体の6.8%、「入院医療費」を除いた医療費では11.6%を歯科医療費が占めています。
早期発見・早期治療は重要ですが、それだけでは歯科疾患の有病率の低減にはつながりません。当財団では、歯科健診はもちろん、セルフケア支援に重点を置いた支援を行うことで、口腔疾患予防意識の向上、健康行動の増進に繋げ歯科疾患の発生リスクを下げることができると考えています。
セルフケア支援に重点をおいた活動の展開
当財団の企業向け歯科保健事業は、疾病の早期発見・早期治療(二次予防)よりも、健康の保持・増進や、特異的予防(一次予防)に重点を置いています。
自覚症状が無い状態からスクリーニングでリスクを層別し、口腔の健康状況を把握し、将来なり得る疾患を予防するために、個々に合わせたセルフケアの手段を提案し、自発的なケアに導くための健康支援を行っております。さらに、適切なプロフェッショナルケアを定期的に受診することを推奨し、就業者一人ひとりが生涯にわたる健康の維持・管理を行う能力(デンタルリテラシー)が身に付けられることを目的に活動に臨んでおります。
当財団の企業向け歯科保健事業の特徴は、対象者に合わせた柔軟アプローチ方法を健保・事業所と共に検討し、取組みを提供しております。
企業向け歯科保健活動の主な効果
当財団では活動をより効果的に推進していくため、多方面から評価や調査を行っています。
今日までの活動から、企業で健診活動や保健指導を行うことで就業者、事業体および健康保険組合のそれぞれにメリットがあり、効果が現れていることが明らかになっています。
- 1.就業者のメリット:口腔の健康の保持・増進
下の3つの図は、約3,000人規模の事業所において、当財団が全就業者を対象に毎年1回実施している企業向け歯科保健活動の結果です。
歯科健診の回数を重ねるごとに口腔の健康への関心が高まり、むし歯や歯周病予防に重要な歯みがきの習慣がとても良い人(回数が1日2回以上で3分以上みがく人)が増加し(図1)、同時にむし歯や抜けたままの歯で治療が必要な人が減少し(図2)、歯肉が健康な人が増加する(図3)ことが示されました。
活動を継続することで、就業者の口腔の健康保持・増進に結びついています。(公財)ライオン歯科衛生研究所調べ
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2.事業体のメリット:歯科トラブルによる予定外休暇の抑制
図4は、企業向け歯科保健活動の歯科健診プログラム導入前後の「予定外休暇」を比較した結果です。口腔の健康への関心が高まることで歯科のトラブルによる「予定外休暇」が減り生産性の向上に結びついていることがわかりました。口腔の健康の保持・増進によって歯科のトラブルや口腔の健康への不安が少なくなり、就業者の活力向上が期待できます。
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3.健康保険組合のメリット:歯科医療費の抑制
図5は、某企業の就業者約400人について、歯科健診プログラムへの参加回数別に歯科医療費を追跡調査した結果です。
プログラムに参加した人(4~6回)は参加しなかった人(0~1回)に比べ、一人当たりの累積歯科医療費が6年間で約28,000円抑制されていることがわかりました。
これは、プログラムに参加することで口腔内状態が改善されるだけでなく、健康意識の向上や好ましい健康行動への変容があったことが背景要因にありました。
企業向け歯科保健活動の実施は、歯科医療費の抑制に結びついていると考えられます。
このように、企業向け歯科保健活動は就業者が口腔の健康の保持・増進を通じて活き活きと働くことができ、健康保険組合や事業体などにもメリットをもたらす活動であると考えています。
申込みから実施までの流れ
健診会場は実施事業所内等をお借りします
申込み・問い合わせ
- 東日本グループ
- TEL.03-6739-9001
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- ※受付時間 月~金曜日 8:30~17:00
(祝祭日、年末年始、夏季休業時除く)