口腔機能発達に取り組むことに不安があります
発達状況を観察するところから始めましょう
哺乳期は、口腔機能の発達が始まる最初のステージです。誕生直後の赤ちゃんの口の中には、顎間空隙や口蓋の吸啜窩があり、これはお乳を吸うために適した形態です。口唇で乳房に吸い付き、乳首を口蓋の吸啜窩に押し付け舌を動かして乳汁を吸うことで、吸啜・嚥下・呼吸の協調が始まります。この動きが「食べる力」の基礎を作り、舌・口唇・顎の動きはその後の咀嚼や発音へとつながっていきます。この時期の発達は姿勢や原始反射の影響を大きく受けるため、歯科衛生士が哺乳の様子を理解しておくことは、口腔機能発達の早期支援につながります。小児の患者さんが少ない職場でも、「口の育ち」を見守る視点を持つことが第一歩になります。
