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【0~5歳の患者さん】指導に大切な4つのこと

公開日2024年04月15日

その10歳から予防歯科が始まることを伝えよう

予防歯科を生涯にわたって実践するには、歯が生え始めた時から歯の健康を考えることが大切です。乳幼児期は生涯続く予防歯科の入門期であることを伝えましょう。
子どもの成長に合わせた歯みがきや定期健診はもとより、食事や睡眠などの生活習慣の定着も欠かせません。保護者が子どもの将来の口の健康を考えながら成長に応じた予防歯科を実践できるようにサポートしましょう。

その2歯みがきで子どもの健全な発達を確認できることを伝えよう

歯みがきには、「むし歯」や「歯周病」の予防だけではなく、もっと多くの意味があります。
例えば、
●粘膜が刺激されることで、乳児期の口内の緊張や過敏の除去、免疫力の向上につながる
●舌苔を除去することで、口臭予防や口呼吸の早期発見に役立つ
●咀嚼習慣や舌の正しい動きを確認できる
●望ましい生活習慣が身につく
などが挙げられます。

その3定期健診の大切さを伝えよう

子どもの口の発達を見ていくためにも、乳幼児期からの定期健診が欠かせないことを伝えましょう。この時期は常に「機能の獲得と発達の過程」にあります。時には機能の発達が遅れていたり、機能が誤って獲得されたりする場合もあります。その予兆を早期に察知して修正回善を行うことは、定期健診の大事な目的の1つであり、健全な口腔機能の発達を促すうえで重要であることを理解してもらいましょう。

その4予防歯科は保護者が中心に行うことを理解してもらおう

この時期は、子ども自身が予防歯科に取り組むことは難しく、保護者が導き実践してあげる、いわば「他律」の時期です。成長とともに自分でできることが増えていき、「自律」へと向かいます。子どもに毎日のケアを実践してあげることで予防歯科の基盤が形成され、より良好な自律へとつながると伝えましょう。
歯みがきでコミュニケーションをとることは、親子の絆を深め、子どもの心と身体を育てることにもつながります。

まとめ

保護者に歯科予防の大切さを理解してもらうことが大事です。歯が生えたら予防歯科が始まること、歯みがきで口腔の発達がわかることをしっかり伝え、定期健診の受診を促しましょう。

監修:朝田 芳信

内閣府日本学術会議 生活科学委員会 子どもの健康分科会委員
鶴見大学歯学部附属病院 病院長
日本学校歯科医会 口腔機能発達不全に関する調査研究委員会 委員長

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